蛇の吐息
目覚めると、僕の隣には魔法使いが眠っていた。 眠っていたっていうのは間違いだ。僕と同じように眠っていた名残のようなものを魔法使いに感じたのだ...
ライハナアーカイブ
目覚めると、僕の隣には魔法使いが眠っていた。 眠っていたっていうのは間違いだ。僕と同じように眠っていた名残のようなものを魔法使いに感じたのだ...
天空には三つの月が踊っている。 そのうち環を頂いた一番大きな月を、瑠璃宮と人は呼ぶ。 瑠璃宮の隣が矢作の君、二つにかしずくように控えめに光る...
ある霧の夜、魔法使いが小さな猫を拾ってきた。 霧は魔法使いの光を吸い込むほど暗い漆黒の髪を濡らし、しっとりと頬を湿らせる。 足首まですっぽり...
僕は妖精、生も死も、魔法使いの手に握られた、哀れな囚人。 魔法使いは漆黒の髪、灰色の瞳、絶望したような空の色をしたその目は、僕を蔑み続ける。...
僕は魔法使いの弟子、名前は忘れてしまった。 確かそれは美しい響きの、この世で僕しか持っていない大切な名前だった。 魔法使いは僕の名前を奪って...
僕は魔法使いの弟子、弟子と言ってもただの使いっ走り、魔法使いは僕の全てを支配して、そして蹂躙する時を待ち侘びている。 僕はいつか来るその日の...
やわらかな左手 Page-Bottom 僕は魔法使いの弟子、魔法使いは優れた医師、国一番の智慧者、錬金術を修め科学の力でこの世を恣にし、あの...