raihana_archive
ライハナアーカイブ
――私の傲慢な行いは、弟の子供らしい魂を、永遠に損なったに違いない。
2017/8/30 aranea
――夫は弟が垂らした蜘蛛の糸だった。
――不愉快で仕方ない。克彦の――犬のくせに、あんたは。
――私と弟の接触には、常に痛みが伴う。
2017/8/31 aranea
――私達は飼い主と犬であって、男と女では、ない。
――たった十四才だった、克彦の心のうちを、私は知らなかった。
――私達ははあはあと嵐のように息をして、ひとの言葉を失った。
――そうだね、普通だったら、そんな風に、生きていくんだよね。
――思いは、蜘蛛の糸に似て、あまりにも頼りない。
2017/9/2 aranea